厚生労働省 
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 〜心の健康確保と自殺や過労死などの予防〜より

結論からいうと、そのような場合がありえます。

なぜかというと、うつ病という病態には生活状況にしっかりとねざした場合と

そうでない場合があり、この前者の場合がご質問のケースとなりうるからです。

生活状況といっても、仕事、学校、家庭などさまざまですが、

特に仕事の場面、例えば、職場の人間関係、仕事の内容などにかかわって

メンタルヘルスが不調になる方は最近特に増加しつつあります。

一例をあげてご説明しましょう。

事務系職場に勤務するAさんは既婚、物静かで実直な中間管理職。

職場の人望も厚く、部下からも慕われています。

しかし、自分の仕事が立て込んでいるのも構わず、

上司であるB課長が一方的に指示を出してくるので、

自分のペースがいつも不安定になってしまいがちです。

決算期を迎えB課長も忙しそうで、自分が仕事を拒めば手一杯な部下も

もっと困るということが明らかなので、あからさまにノーともいえません。

ついには休日出勤でこなしていましたが、いつしか朝、職場に出勤しようとすると頭痛、

下痢がはじまり欠勤がちとなりました。

奥様の勧めでようやく精神科を受診しましたが、診断は「消耗性うつ病」でした。

このような場合、まずは職場から離れ自宅で休養し、

こころの中から仕事のしばりをほどき、ゆるめ、こころの自由度を回復することが

大切なケアとなります。

このようなケアの効果がでてくると次第にAさんも元気をとりもどし、

家庭では元気に過ごすことができるようになります。

この段階を経て、さらに回復度が高まると、Aさんも再び職場でがんばろう

という意欲がでてくることになります。

復職には、上司との関係、仕事の見直しなど勤務環境調整が大切なことは

言うまでもありません。

ということで、うつ病の病態は生活場面、生活状況のある種の要因と

深く関わっていることがあります。

ですから、仕事場とそれ以外の場所でご本人の様子が大きく異なる場合は、

むしろ病気の特徴をよく反映しているという場合もありえます。

メンタルヘルスの不調は身体面の病気と異なり目にみえず、

しばしばさまざまな誤解を生みます。

病状の内容は一面だけでなく、生活全体から総合的に判断することが重要です。