雇用契約

 

賃金の額については、最低賃金法によって、使用者は、

 

最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないと

 

定められています。

 

 

最低賃金額は都道府県ごとに決まっています。

 
また、賃金の支払方法は、労働基準法によって、

 

賃金は、原則として*、

 

(1)通貨で

(2)直接労働者に

(3)全額を(同法24②において)

(4)毎月1回以上

(5)一定の期日を定めて

 

支払わなければならないと規定されています

(賃金支払の5原則)。

*「原則として」とあるのは、賃金支払の5原則には

以下の例外があるからです。

 

(1)通貨払の原則の例外(労基法24①ただし書)

●法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合

●「厚生労働省令で定める賃金」について

「確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるもの」による場合

 

(2)全額払いの原則の例外(労基法24①ただし書)

●法令に別段の定めがある場合(税金の控除等)

●労使の自主的協定がある場合(親睦会費の控除等)

 

(3)毎月払及び一定期日払いの例外(労基法24②ただし書)

●退職金のような臨時に支払われる賃金

●賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令に定める賃金

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

年次有給休暇は、労基法が保障する労働者の権利です。

 

 

年次有給休暇をとることを賞与の査定でマイナス評価に

 

することは、労働者がその権利である年次有給休暇を

 

とることを事実上抑制することになりますので、

 

年次有給休暇をとる労働者に対する不利益な取扱いとなります。

 

 

<不利益取扱いの禁止>

労基法は、年次有給休暇をとった労働者に対して、

使用者が賃金を減額したり、その他不利益な取扱いを

しないようにしなければならないことを定めています

(労基法附則136)。

 

例えば、精皆勤手当や賞与を算定する際に、年次有給休暇を

欠勤扱いにすることなどが不利益取扱いに当たります

(S63.01.01 基発1)。

 

この規定は、年次有給休暇をとった労働者に対する

不利益取扱いが年次有給休暇の取得を抑制し、労基法39条の

精神に反することなどから、訓示規定として設けられたものです。

 

精皆勤手当や賞与の減額などの程度によっては、公序良俗に

反するものとして民事上無効(民法90)となる場合もあります。

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

 

年次有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復させ、

 

また、仕事と生活の調和を図るために、労基法が

 

労働者の「権利」として認めた有給の休暇です。

 

 

 

 
年次有給休暇は

 

①6か月以上継続勤務している者であって

 

②その期間において全労働日の8割以上出勤したもの

 

であれば、10日の有給休暇がとれます。

 

 

以後、出勤率が8割以上であれば、継続勤務期間

 

1年ごとに休暇日数は増加し最高20日を限度に

 

とることができます。

 

 

所定労働日数が少ないパートタイム労働者であっても、

 

その所定労働日数に応じて年次有給休暇をとることができます。

 

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

常時10人以上の労働者を雇用している会社

 

(事務所、工場、店舗など)は、必ず就業規則を

 

作成しなければなりません。

 

 

そして、作成した就業規則は、所轄の労働基準監督署長に

 

届け出る必要があり、就業規則を変更した場合も同様です

(労基法89)。

 

 

 
また、就業規則を作成・変更する場合は、必ず労働者側の

 

意見を聴かなければなりません(労基法90)。

 
就業規則は、法令や会社で適用される労働協約に

 

反してはなりません(労基法92)。

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

労働者を解雇しようとする場合には、原則として、

 

少なくとも解雇日の30日前に解雇の予告をする必要が

 

あります。

 

 

 

 

解雇予告をしないで即時に解雇する場合は平均賃金

 

30日分以上の手当(解雇予告手当)の支払が必要です。

 

 

なお、解雇しようとする日までに30日以上の余裕が

 

ないときは、解雇の予告をした上で、30日に不足する

 

日数分の解雇予告手当を支払うことが必要です。

(労基法20)。

 

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は、

 

休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上

 

の手当(この手当を「休業手当」といいます。)を支払わな

 

ければなりません(労基法26)。

 
「使用者の責に帰すべき事由」とは、地震や災害などの

 

不可抗力による場合を除き、資材が集まらなかったために

 

作業が出来なかった場合や、機械の故障により休業せざるを

 

得なかった場合など、経営者として不可抗力を主張し得ない

 

一切の場合を包含するものと解されます。

 
したがって、注文が少ないことは、使用者の責に帰すべき

 

事由に該当しますので、交替で休業を命じた労働者には、

 

休業手当の支払をしなければなりません。

 

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

年俸制を導入した場合でも、実際の労働時間が一週

 

又は一日の労働時間の法定労働時間を超えれば、

 

原則として※、割増賃金を支払わなければなりません。

 

 
したがって、年俸制であることを理由として割増賃金の

 

支払いを免れることはできません。

 
※「原則として」とあるのは、労基法41により、

以下の労働者には、労働時間、休憩及び休日に

関する規定が適用されないためです。

 

  • (1)土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(林業を除く。)または動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業に従事する者
  • (2)事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
  • (3)監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

労基法25条には非常時(出産、結婚、病気、災害等)

 

について、給料日前でも給料を支払うように定めています。

 

 


しかし、この条文で定めているのは、既に行った労働に対して

 

給料日前でも支払うように定めているのであって、

 

これから行う予定の労働に対して給料を支払うように求めて

 

いるものではありません。

 

 

従って、前借りに応じる義務はありません。

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

休憩時間は事業場内における自由な利用を保障する

 

という趣旨であり、休憩時間中の外出を許可制と

 

することが必ずしも違法となるわけではないと

 

解釈されています。

 

 

 

 
ただし、休憩時間の自由利用の観点から、労働者からの

 

外出の申し出を不許可とすることは難しく、労働者の

 

同意を得た上で届け出制とすることが望ましいと

 

考えられます。

 

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

未成年者を雇用する場合に、親権者や後見人が未成年者に

 

代って労働契約を締結することは、未成年者本人の同意を

 

得ていてもできませんので、あくまでも労働契約は本人と

 

締結する必要があることに注意してください(労基法58①)。

 

 

 
なお、親権者や後見人又は所轄労働基準監督署長が、

 

労働契約が未成年者に不利と認めるときは将来に向かって

 

労働契約を解除することができることとされています(労基法58②)。

 

 
また、賃金は未成年者に直接支払うことが必要であり、

 

未成年者に代って親権者や後見人に支払ってはいけない

 

ことに注意してください(労基法59)。

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より