パワー・ハラスメント

 

 

原則として、どのような企業でも、日本国内で従業員を

 

一人でも雇えば労基法が適用となります。

 

 

パートタイム労働者やアルバイト等の就業形態を問わず

 

適用となります。

 

 

 

 

したがって、従業員を雇う際には、労基法等で定められた

 

必要な手続や関係書類の整備をしておく必要があります。

 

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

 

 

 

【パワハラ防止規程を作るときのポイントは?】

 

 

ルールとして明確化しておくポイントは

 

 

 
①職場におけるパワーハラスメント防止の目的と意義

 
②職場におけるパワーハラスメントの定義

 
③相談・苦情窓口の設置と諸手続き

 
④プライバシー保護と相談者に対する不利益処分の禁止

 
⑤行為者に対する処分の内容

 
規程の内容等をすべての従業員に周知徹底することが必要です。

 

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

 

 

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義

 

されていませんが、一般的な特徴として、

 

 

 

 

 

① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す

 

② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行する

など企業全体のコンプライアンス意識が低い

 

③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

 

 

などと言われています。

 
したがって、企業としては、このような問題点が生じないよう、

 

企業全体でコンプライアンス意識を高く持ち、労働条件、

 

就業環境を改善していくことが大切です。

 

 

厚生労働省~確かめよう労働条件~より

 

 

発生した事案を個人的な問題ととらえるのではなく、

 

職場全体の問題として職場環境の改善がさらに必要となります。

 

 

 

 
①「パワハラを許さない」という会社の方針を全従業員に

再確認させる。

 
②発生原因を分析し、必要な防止対策を再検討する。

 
③社内で相談をしにくい雰囲気がないか、相談体制の状況を

再検討する。

 
④管理職のマネジメント能力の向上を図り、アンガ-マネジ

メントやアサーション、パワーハラスメントにならない

指導法などの研修を実施する。

 

 
※アサーション :相手の気持ちや考えを尊重しながらも、

自分の気持ちや考えをその場に適切な表現で相手に率直に

伝えるスキル

 
※アンガ-マネジメント :自分のアンガー(イライラや

怒りの感情)を理解して癒したりポジティブな方向へ

展開する等上手にコントロールするための手法

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

 

 

Q:懲戒処分を行う場合の留意点は?

 

 

 

 

A:第一に、ハラスメントが懲戒処分の対象となること、

 

懲戒の事由、種類や程度を就業規則等に明記し、

 

従業員全員に周知徹底させておく必要があります。

 

 

パワーハラスメントの事実が認められた場合には、

 

人事部門等と連携を取り行為者への措置を取りますが、

 

できる限り相談者の意向を尊重した対応に努めます。

 

 

処分については慎重・公平に行うのはもちろん、

 

当事者への説明も十分に行う必要があります。

 

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

Q:パワハラ防止を打ち出すと指導や教育が難しくなると

管理職からの反発があります。

 

 

A:管理職は部下を指導・育成する責務があり、時には厳しい

 

指導や叱ることが必要な場合があります。

 

 

自身が権力・パワーを持っていることを自覚し、パワー

 

ハラスメントがもたらす自身や職場全体への影響、

 

デメリットを理解して、日頃のコミュニケーションの取り方や

 

パワーハラスメントととられない指導の方法を身に着けること

 

が必要です。

 

 

管理職研修などで指導法やアサーション、アンガ-マネジメント

 

などのスキルを身に着けていきましょう。

 

※アサーション :相手の気持ちや考えを尊重しながらも、

自分の気持ちや考えをその場に適切な表現で相手に率直に伝えるスキル

 
※アンガ-マネジメント :自分のアンガー(イライラや怒りの感情)

を理解して癒したりポジティブな方向へ展開する等上手に

コントロールするための手法

 

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

Q:社内に相談窓口を設置する人員と予算の余力がありません。

良い方法はありますか?

 

 

 

 

A:人員や予算を考慮して、管理職や従業員を相談員に選任し

 

相談対応を行う、コンプライアンスの相談窓口と一体的にするなど、

 

自社で実施しやすいような方法をとるとよいでしょう。

 

 

また、各種ハラスメントは複合的に起こることも想定されることから、

 

セクシュアルハラスメントやいわゆるマタニティハラスメントの

 

相談窓口と一体的に運営することが望ましいでしょう。

 

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

 

~同じことを繰り返す行為者への対応例~

 

 

課長Aが、部下を個室に呼び出して長時間怒鳴りつける

 

ことが日常的に行われており、職場に来られなくなった

 

部下が出てきてしまっているとの通報が窓口にありました。

 

 

匿名による通報であったため、被害者本人による通報か、

 

第三者による通報か確認できなかったものの、相談窓口担当者と

 

人事部との間で対応を検討し、状況を把握するために、

 

行為者の上司へ事実確認を行うこととしました。

 

 

事実確認は、人権啓発室の室長と行為者の上司にあたる

 

部長Bの2人の間で行われました。

 

部長Bは、状況をある程度把握していましたが、

 

業務上必要な指導の範囲と認識。

 

しかし、行為者は課長に昇格して日が浅いこともあり、

 

普段から行き過ぎた言動が見受けられ、部下への配慮が

 

欠けているとの意見が伺えたため、部長Bを通じて注意・

 

指導を行うこととしました。

 

 

 

課長Aへの注意・指導は、周りに話が漏れないよう会議室を

 

準備し、部長Bと課長Aの2人で行いました。

 

部長Bが、怒鳴りつけることは業務上の指示・指導に必要な

 

ものではないことを伝え、今後は慎むよう注意を行いました。

 

 

課長Aは、大声で叱った事実は認めたものの、業務遂行上

 

必要な処置であり、部下の業務の進め方では、納期に間に

 

合わないとし、人格や尊厳を損なう言動はないと認識しており、

 

当初は注意を受けていることに不服な様子が伺えました。

 

 

 

しかし、部下に直接指示を行う立場にある課長として、

 

相手の置かれた状況や心情、心身の調子に十分な配慮が

 

必要であることを丁寧に伝えていくことで、次第に

 

通報内容を真摯に受け止め、今後は言動を改めることを

 

約束するに至りました。

 

 

 

課長Aには、管理職としてのスキル向上のための

 

リーダーシップ研修、アンガーマネジメント研修、

 

アサーション研修などの受講を指示するとともに、

 

部長Bが日常的に納期に遅れる部下に対する指導方法を

 

課長Aと検討することとしました。

 

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

~相談者が報復を受ける不安への対応例~

 

相談者は、先輩従業員から、自身の体型について揶揄され、

 

痩せることを強要される、毎日のように体重の報告を求めて

 

くるなど、業務とは関係のないことを強いられ、出社するのが

 

苦痛であるとの相談が窓口にありました。

 

 

相談者の了解の下、行為者に事実確認をした結果、相談者の

 

申告どおり、日常的に業務の範疇を超えた対応を強いられて

 

いる状況であることが確認できました。

 

 

事実調査を担当した相談担当者と総務部の課長の2名より、

 

相談者に調査結果の説明を行いました。

 

 

行為者へ事実確認の内容を説明し、行為者本人が事実を

 

認めていること、会社は本事案の原因は行為者側にあると

 

判断していること、行為者本人も反省している様子で

 

あったことを相談者に伝えました。

 

事実確認の内容については、おおむね納得した様子でした。

 

一方で、今後の会社としての対応措置を検討するにあたり、

 

相談者の希望を確認したところ、相談者は、行為者の顔をみると

 

ドキドキしてしまうことから、行為者の異動を希望し、

 

異動が不可能であるならば、行為者に対する会社からの処分を

 

望んでいました。

 

行為者の要望を踏まえて、人事部の部長と課長は、相談者が

 

所属する部署の責任者である本部長と検討を重ね、相談者と

 

行為者が業務上接点を持たない体制変更を行うこととしました。

 

 

対応案の決定を受けて、体制変更を行う考えがあることを

 

人事部長から相談者に説明を行い、今後は行為者との接点が

 

なくなることで、相談者の了解を得たものの、相談者は、

 

行為者から報復を受けないどうか不安な様子でしたので、

 

行為者の上長から強く注意・指導を行うとともに、

 

今後半年間は、相談者と相談担当者、人事部の課長の

 

3名で定期的に面談を行うこととしました。

 

 

加えて、健康管理の観点で、定期的な産業医との面談を薦めました。

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~

 

 

 

 

 

~行為がエスカレートしていった事例~

 

 

作業手順が遅い従業員を先輩従業員が暴言を吐くなどが

 

頻繁にありました。

 

 

最初は、作業手順などを丁寧に教えていましたが、なかなか

 

作業を覚えない後輩従業員に対して、

 

「お前は本当にばかだ。早く辞めろ」などの暴言をするように

 

なっていきました。

 

 

それを見ていた同じ職場の同僚は、上司に相談していましたが、

 

先輩従業員が指導の一貫として行っている行為と見ており、

 

特に対応をしていませんでした。

 

 

しかし、先輩従業員の行為は次第にエスカレートし、暴言が

 

連日続き、後輩従業員の作業着や備品を蹴飛ばすなどの

 

行為も見られたことから、同じ職場の同僚は心配になり、

 

第三者として相談窓口に通報を行いました。

 

 

相談を受けた相談窓口の担当者は、総務部長と相談し、

 

相談窓口担当者と総務部長で後輩従業員本人(被害者)と

 

同じ職場の4~5名に事実確認を行いました。

 

 

事実確認を行った結果、1年以上にわたる暴言がなされて

 

いたことがわかり、すぐに先輩従業員(行為者)を

 

自宅待機(処分確定ではないので、有給休暇扱い)とし、

 

総務部長が先輩従業員(行為者)との面談を重ねました。

 

 

第三者から通報を受けてから1ヶ月程度の間に事実確認を

 

行うとともに、就業規則に基づき、総務部長が指名した

 

懲戒委員会メンバーで処分の検討を行いました。

 

 

結果、先輩従業員(行為者)と看過していた上司への

 

懲戒処分ならびに先輩従業員(行為者)を別の支店に

 

異動させました。

 

 

再発防止策として、従業員全員に対してパワハラへの理解を

 

深めるための研修を行いました。

 

 

厚生労働省~あかるい職場応援団~